• 更年期外来/生活習慣病

ご挨拶

院長 田中冨久子

院長 田中冨久子

 関内のこの地における更年期外来も8年目を迎えました。最初の年、2011年には、新年に開設してすぐ、3月に、東日本大震災が起こったことを思い出します。この7年の間に、木、金、土という少ない診療日ながら、約1300名の女性たちが来診してくださいました。これらの方々は、主として、閉経によって発現する体調の悪化を訴えてこられておりますので、ホルモン補充療法(HRT)という治療法によって、元のようなはつらつとした体にもどすことを行ってまいりました。

 この7年間を振り返りますと、ほんのわずかですが、HRTに対する女性たちの考え方が変わってきているように思えます。閉経後女性たちがHRT治療に向かわない理由は、大きくは2つあると思います。一つ目は、それまで卵巣が分泌していた女性ホルモンが女性たちの脳と体を維持するためにどれだけ必要かということについての知識が乏しいこと、そして二つ目は、もし閉経によって失われた女性ホルモンを外から投与するというHRT治療を行うと「がん」になるリスクがある、という考えが流布されていることです。
しかし、一つ目については、最近のメデイア等が発信する情報には、女性ホルモンの必要性が沢山に含まれるようになってきています。また、過去に喧伝されたように、HRTは、がんのリスクをもつ怖い治療法であると言うイメージを取り払いつつあるように思えます。
二つ目については、この治療を推進する医学界でも、膨大な数の臨床データの解析から、「がんになるリスクがある」という考えを徐々に否定してきています。たとえば、日本産科婦人科学会・日本女性医学学会の編集による「ホルモン補充療法ガイドライン」に基づきますと、子宮のある女性で黄体ホルモンを含むEPTというHRTを行った場合、2012年版では「長期のEPTの施行は乳がんリスクを上昇させるが、5年未満の施行であればリスクは上昇しない」ということでしたが、2017年版では「乳がんリスクにおよぼすHRTの影響は小さい」と改められています。そして、 2017版では、新たに、消化器系のがんリスクを低下させる効果があることが取り上げられています。大腸がん、胃がん、食道がんのリスクを低下させるというデータが示されました。このようなHRTをめぐる近年の医学界、メデイアの動向をもとに、日本女性たちがもっと自分の体の事を知り、必要ならHRTに向かってくれることを、私は心から願って、今年も頑張りたいと思います。

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